『私の少女』

大声で言わせて頂くと最近観た映画の中では、群を抜いて心に響く映画でした。
韓国が世界に誇る女優ペ・ドゥナと韓国最強ロリータ キム・セロンが共演。
これは韓国映画史だけでなく地球の映画史に残る大事件と言っても過言ではない。
『チャッピー』よりもこっちを観て!!

都会から海辺の村に赴任してきた女性警官ヨンナム(ペ・ドゥナ)。着任早々、ヨンナムは海辺で1人寂しく踊る少女ドヒ(キム・セロン)と出会う。
ドヒは朝一番に登校中のバカガキどもに乱暴され、夜になれば血の繋がらないアル中の父親ヨンハに殴り倒される。
ヨンハの母親もドヒ虐待の協力者で、口は汚く、愛車のオートバイも汚い。このマシンにまたがり、逃げ惑うドヒを猛追撃。とっ捕まるとペットボトルで大連打。
そして再び地獄の我が家へ連行していくクソババアである。

ここは小さな村なので、これだけ派手なことをすれば虐待の事実はアッと言う間に知れ渡るはず。
が、しかし、ヨンハはジジイとババアばかりのこの村を支える漁業の中心人物だった為、村人も警官もがん首揃えて見て見ぬ振り。口出しもしない。
挙げ句「悪いのは、お酒ですよ!!」と信じられないことを口にする始末。

だが、正義感の強いヨンナムは違う。
この事態に我慢できず、しばらくの間、自宅にドヒを泊めることを決意する。
はじめて自分を理解してくれたヨンナムに好意を抱くドヒ。
その好意は日増しに強烈になっていき、ヨンナムが入浴中に突然やって来て、備え付けのトイレでオシッコしていると思ったら、今度は服を脱いでそのまま湯船にドボン。普段ならうれしい男性娯楽シーンなのに、観てはいけないものを観てしまった様な…そんな気持ちになるシーンですが、同時にドヒの背中に刻まれた青紫色の生々しい傷痕が露わになる。もう、守るしかない!!だけど、オシッコした後すぐに、股間を洗わず湯船に入るのだけは…。

本作を手掛けたチョン・ジュリ監督は映画業界では珍しい女性の方。だから当然、男性とは違った感性や切口で物語を描いていく。つまり、エロには逃げない。
この映画に百合なんてもんはお呼びじゃないのだ!!
とは言いつつも、イチャイチャしているヨンナムとドヒは凄くかわいいです。特に水着を買うシーンでドヒがヨンナムとお揃いの大胆な水着を買うと言い張る。だが、それは大人用。店員からは「お客様、サイズが…」と言われ様が意地でもお買い上げ。胸が熱くなります。
もちろん、このブカブカの水着を装着した姿も出てくるので、男子諸君は安心して欲しい
でも、後半、このドヒのお揃いに対する執着は狂気を帯び始める。


遂に髪型までお揃いにしてしまうドヒ。
余念は無い。

そして物語は、なぜ、都会のエリート警官であるヨンナムがこんな片田舎に飛ばされたのか? その秘密が暴かれ始める。
完璧なヨンナムに隠された秘密、ドヒの暴走、アル中父ちゃんの大逆襲。もう何が起きてもおかしくない。
安易なハリウッド流ハッピーエンドもいらない。感動を無理強いさせるような日本流もいらない。
この結末は、とにかく観て!!


映画館内に貼られていた、ペ・ドゥナのサイン入りポスター。
ノドから手が出て、防犯ガラスをブチ破ってしまいたい程、欲しかった。