もう狂うしかない!! 残酷!! 『くるみ割り人形』


去年の11月29日。『くるみ割り人形』が再び映画館にやって来た。
が、しかし、「上映会場が遠い!!」、「外が寒い!!」と駄々をこねていたら、アッと言う間に上映は終了。
海よりも深く後悔していたら、近所の映画館が1週間限定の再上映を決行してくれたので、僕は鼻息を荒くして映画館に駆け込んだ!!

1979年といえば法律で『機動戦士ガンダム』が誕生した年だと定められていますが、同時に『くるみ割り人形』が初めて公開された年でもあります。
ハローキティが所属するサンリオが5年と7億円、膨大な予算と時間を費やし大勝負に打って出たのが本作。

そして、時は流れて2014年。
オリジナルのフィルムを最新の映像技術で補強して、声を演じた俳優陣も全員入れ替え。中でも特筆すべきは、サンリオの展示室で眠っていた人形(役者)を目覚めさせて撮影した最新カット。年月の経過で破損したパーツ等も綺麗に修理、お色直ししてゴキゲンな演技を披露しています。
更にCGアニメ、ボーカロイドきゃりーぱみゅぱみゅもブチ込んで(このへんが評価の分かれ目か?)再び『くるみ割り人形』が飛び立った!!


↑こちらが79年版のオリジナル予告。2014版のカラフルな予告編に比べてダークな編集が施されていますね。子どもだったら座席でオシッコ漏らすレベルです。

主人公のクララは自宅から異世界へと迷い込んでしまう。そこではド汚いネズミの軍団と人形王国が戦争を繰り広げていた。
どこまでが夢で、どこからが現実なのかイマイチよく分からない残酷な世界観が何故だか心地良く、それでいて後半は「本当の愛とは何なのか?」の問いかけ、傷つきながらもド根性と気合だけで答えるクララの勇姿が胸を打つ。『アナ雪』や『マレフィセント』でも似たようなことをやっていましたが、CGでは辿りつけない泥臭い感動が『くるみ割り』にはあります。

あと2014年版の声を担当した俳優陣も素晴らしかった。クララの声を担当した有村マーニー架純たんのあの小生意気な声。いや、本当にもう、たまらん!!
意外だったのが、二つ頭のネズミの女王を演じた広末涼子さんの怪演。さすがの有村たんの美声も霞むほどの勢いでした。
今後、当ブログでは広末涼子さんと言えば、二つ頭のネズミの女王!! と口を酸っぱくして言い続けて行こうと思う。

見逃していませんか? 傑作ファンタジー人形劇3連発!!

ファンタスティック Mr.FOX
『父さんギツネバンザイ』を原作とした人形劇。泥棒を生き甲斐とするMr.フォックスは妻の妊娠をきっかけに悪行から足を洗い、危険の無い職に就くも「本能を隠して生きるのは間違っている!!」を理由に再び泥棒に復帰し危険に飛び込んでいく。その結果、人間との全面戦争が勃発。
火のついた松ぼっくりをポイポイ投げて商店街を火の海にする動物たちが最高!!


コララインとボタンの魔女
孤独な少女が自宅から異世界に迷い込み、凶暴な魔女と激突!!
まず、主人公の女の子の顔が最高です。ソバカスもあるし、歯並びも悪い。萌えに媚びていない!!
見ての通り、僕はこういう顔をした女の子に弱いんですよね。


ダーククリスタル
人類は登場せず、怪獣、獣人、羽の生えたヒロイン、そして巨大フンコロガシ。
未知の惑星を舞台にして、不思議な生き物たちの生態を描いた巨大ファンタジー映画。
僕の人生に多大な影響を及ぼした一本でもあります。
ビックリするぐらい精巧に作られたキャラクターを創造したのは『セサミストリート』のジム・ヘンソン!!

そして…来月。

思い出のマーニー』があなたの実家にやって来る。