サイレント・ハウス―オデコとの沈黙デートに酔いしれて―

近年、ホラー映画は何でもいいから、とにかく暴力と流血とエロを大量投下すれば何とかなる。
そんな安易な考えが、のさばるホラー映画業界にカツを入れるべく2010年にウルグアイで誕生した体感型という未知数のホラー映画をハリウッドが他力本願でリメイクしたのが、この『サイレント・ハウス』である。


かつて住んでいた別荘を売り飛ばすため、物凄く可愛いオデコと巨乳を合わせ持つ主人公のサラ(以下 オデコたん)は
久々に別荘に訪れるも内部は荒れ放題にカビだらけ、おまけに電気もまともに通っておらず、昼間なのにやたら暗い。
この時点でウンザリするのに地下室に何者かが住んでいた痕跡が見つかるという、手加減の無い追い打ちがオデコたんを恐怖のドン底に蹴り落とす。

ホラー映画ばかり観ている陰気なハートをお持ちの方なら「そんなホラー映画、今までに何回観たことか…。」と肩を落とすかもしれませんが、見放さないで下さい!!
この映画のチャームポイントである体感型。
一口に言えば、上映開始から終了までカメラが、どこまでもオデコたんにへばり付いて一部始終を記録する。

オデコたんに密着。


だから、オデコたんが別荘で得体の知れない何かに遭遇してビックリして全速力で走れば(足の速いこと(笑))カメラも猛追撃。まるで近所の小学校の運動会を撮影したようなブルブルした映像にブルブル戦慄し、またあるときは、得体の知れな何かとの遭遇を回避するためテーブルの下に潜って声を必死に噛み殺して、オシッコを我慢しているような顔つきで沈黙を保つ。
この瞬間がまさにサイレント・ハウスなわけです。
当然、カメラもテーブルの下に潜ってオデコたんとの距離を数センチにまで切り詰めて大接近。
恐怖が、巨乳が、そしてオデコが束になってやって来る!!





見ての通り、僕は女の子のオデコに物凄く弱いんですよ。
だからこれほどの至近距離で長いことオデコたんのオデコを観ていると、
ひょっとして、僕たち、今、デートしているのでは?
そんな嬉しくも、みじめな気分に浸ってしまいます。なんて斬新かつ、内気な男子に優しい映画なんだろ。
全編に渡って派手な演出は無いものの、オデコたんを演じたエリザベス・オルセンの演技(顔芸)がとにかく素晴らしく、スッカスカな脚本でも飽きることなく最後まで一気に観れます。

最後にこの映画で、個人的に大好きなシーンを紹介して今回の感想文にピリオドを打ちたい。オデコたんが別荘の真っ暗い地下室を走り回っている最中に、低い天井と交通事故を起こしつつも頭を押さえながら撮影を続行する事故映像。演技を超越した瞬間である。

サイレント・ハウス [DVD]

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ビックリ顔を正面から捉えたセンスの良いパッケージ。