クラウン

ピエロの人殺しは、ホラー映画の中で、『機動武闘伝Gガンダム』の中で、そして現実にもいたけど、この『クラウン』に出てくる奴はちょっと違う。
いや、かなり違う。

最愛の息子の誕生日パーティーに来るはずだった派遣ピエロが来ない。父親のケントは困り果てていると『開運!なんでも鑑定団』に出てきそうな年代物の道化師衣装を発見。
もう、やるしかない!!

こうして息子の笑顔を守ることが出来たのだが、悲劇はここから始まる。

翌朝になってみると、衣装が脱げない!!
というか全身に張り付いてる!!
しかも、カツラも頭皮にしっかりとパイルダーオンしてる…。
どうしよう…オシッコも出来ない。


やるのか?やらないのか?
もう、やるしかない!!
ファイトォー!イッパーツ!!

ケントはカッターナイフや電ノコを服の隙間に突っ込んだり、妻にお願いして引っ張ってもらったりと色々とスリリングなことにトライしたが、結果は惨敗。血だけがたくさん出た。
こいつはもう、どうにもならん!!と病院に駆け込んだら「心の病気ですか?」と勘違いされる始末。その姿はまさに現代の道化師であった。


そして遂に衣装とカツラは、ケントと一体化を果たす。
体がどんどん臭くなり、汚い液も吐くようになる。おまけにどうしようもないくらいに腹が空く。
冷蔵庫の中を貪っても飢えは満たされない。今の彼の胃袋が欲するモノは何と子供の肉のみ。それはまさに倫理問題限界の食材だった。


「子供の死様」は映画の中でも禁じ手の1つ(一部の国では平然と映すが)。
だけど、この映画では手加減なく描かれます
何も知らずにノコノコやってきた男の子の指をかっぱえびせんみたいに噛み砕いたり、次から次へと何の罪もない子供や罪にまみれたバカガキまで平等にメッタンメッタンのギッタンギッタンにしていく。
もしも、あなたのお父さんがある日突然、人喰いの怪物になったら…。
抱き止めてあげることができますか?
僕には無理です。


↑もともと『クラウン』は映画学校の仲間が面白半分ででっち上げたウソの予告だった。
が、しかし、ホラー映画ばかりを撮っているイーライ・ロス監督の名前をのせた(もちろん無許可で)から、さぁ大変。
このインチキ予告を観たホラー映画ファンはイーライの名前に動揺して「この予告は本物?偽物?」となった。
そんな反応をニタニタしながら(多分)楽しんでいるバカどもに何とイーライ監督から直々に電話がかかってきて、「君たち!!この予告を本当の映画にしてみないか?」とまさかの出世話を持ち掛けられるのであった。
世の中どこにチャンスが転がっているか分かりませんね。

なので、金は無いがでっかいワンアイディアがある映画監督希望者は、試しにインチキ予告をネットに垂れ流してみてはいかがだろうか?
運が良ければ、暇な金持ちのアンテナに届くかもしれませんよ!!