ジェサベル

ダブル!ダブル!!ダブルヒロイン!!!
『アナ雪』、『マレフィセント』、そして『思い出のマーニー』と地球を覆い尽くす勢いで広まっているダブルヒロイン現象。
そんな最中、遅れながらもホラー映画にもダブルヒロインの風が到来!!はたして、その出来栄は?

母は死に、父はクズ。そんな哀しい幼年期を送ったジェサベルは今まさに幸福の絶頂だった。運命の男性と出会い、お腹には赤ちゃんを宿し、新生活に向かって翼を広げて発進!! した瞬間に交通事故。夫とお腹の子は即死。自身も車イスの生活を余儀なくされてしまう。
行く当てのない彼女はクズ親父の待つ実家へと帰ってみたものの、相も変わらずクズはクズらしく、気の利かない雑な介護を始める始末。

ところが、ある日。ジェサベルは母親の部屋から複数のビデオテープを発見する。
中身を再生してみると、そこには今は亡き母の姿が。それは我が子に遺す心温まるビデオレターだった。感情を抑えきれず、思わず目頭を熱くするジェサベル。
ところが、途中から内容が一変する。母ちゃんが覚えたての占いで我が子の運命を予想すると「その家には、悪魔のような女が居る!!」だの「今すぐ逃げて!!」だの、大声でこれまた気の利かないお告げを連発。

気になったので残りのテープも再生してみると、やっぱり母ちゃんが絶叫している。しかも、なんだが顔色が悪い。その姿はもはや鬼ババアである。ババアの顔色に比例して内容もドンドン酷くなっていき、最終巻に辿り着くころには、真心こもったビデオレターは貞子の呪いのテープ状態になっていた。

そして、遂にババアの予想が大当たりしてしまう。
真夜中に真っ黒い女がこちらを見ている。普通なら家を飛び出して逃げたいところだが、ジェサベルは両脚が動かない。どうすることもできない!!
ジワリジワリと寄ってくる女に素肌を触られるのを待つだけという地獄の日々が幕を開ける。

もちろん、ジェサベルも負けてはいません!!
必死こいてこの女の正体を暴こうとするのですが、真相に近づけば、直ぐにまた新たな謎が浮かび、それを解決したらまた新しい謎が浮かぶ。浮いては消え、浮いては消えの謎解きが主軸の本作ですが、無理を承知で言わせて頂くと本作は紛れもなくジェサベルと謎の女、この二人が描くダブルヒロイン物語です。

←入浴中だろうと待った無しで襲い掛かる謎の女。
この後、百合ガールズな展開に!!と思ったら、竜ちゃんの熱湯風呂コントのような展開に。

こんな危機的な状況下でもジェサベルは、服装にはこだわるようでモチモチした素肌をさらけ出した、かわいい服装をたくさん披露してくれるので陰気な内容が少しだけ明るくなるのもポイント。
そんな男子に優しいジェサベルですが、ラストで明かされる真実があまりにも残酷で…。でも、この結末は個人的には大好きなんですが。





←このイラストを見て頂きたい。
物凄い顔をしたジェサベルと謎の女が背中合わせとなった構図。
構図だけなら『思い出のマーニー』と一緒なのに、なぜこうも違うのか?
真夜中に見たら即死しそうな一枚。映画館でこの絵を見た時、思わず売店の店員にお願いして頂いてしまった。

もしも、この絵が小学生の通学路に大量に張られていたら…。

何と早くもBDの情報が!!
しかもジャケットにはあの絵が採用されている…。
この決断を下した方はエライ!!