軟骨をすり減らしてでも戦え!『ダークナイト ライジング』

2005年から再起動した『バットマン ビギンズ』は今観ても、深いと思う。
腐敗して犯罪の温床になった街を正義で更生させようとするバットマン
バットマン以上に強力な正義で世界を更生させようとテロ活動を行う影の同盟。
「正義ってなんですか?」という簡単には割り切れない問いを投げかける。
そして、『ダークナイト』ではブレーキの壊れた個人的な正義は「悪以外の何物でもない。」と説いたジョーカーはまさにバットマンと表裏一体であった。

犯罪がバットマンを産み、バットマンがジョーカーを産み。結果的に犯罪率を上げたのはバットマンだった。

緊急特番『正義ってなんですか?』
シリアスに生まれ変わった『バットマン』を起点とし、アホみたいにリアルな作風のヒーローが次々とスクリーンに現れた。それはアンパンマンバイキンマンのような勧善懲悪な関係では収拾可能なものではなかった。この議論を『アンパンマン』に投げかけるのもどうかと思いますがー。行くぞ!!シリアス・ヒーロー乱れ撃ち!!


↑ 健康食品も過剰にとり過ぎれば下痢になるのと同じで、過剰な正義は時として支配的なものに姿を変える。平和の為なら暴力も厭わないヒーローたちを描いた皮肉映画『ウォッチメン

・特殊スキルを持たない一般市民が勝手にヒーローになってしまった。激安バットマンたち。

↑ もう、説明不要な映画『キックアス』。

↑ 誰よりも正義を愛した中年『ディフェンドー』。

↑ 出てった嫁さんを引き戻すために宗教パワーで立ち上がる『スーパー!』。

↑ 心を病んだ弟の為に立ち上がったお兄ちゃんヒーロー『ミラージュ』。男なら100回観ろ!

で、完結編の『ダークナイト ライジング』はどうだったのか?
正直言うと『ダークナイト』のような内容を期待すると大いにガッカリする危険性を秘めている上に、脚本が雑である。ですが、8年間自宅に引きこもって軟骨を消滅させた、手の施しようのない男が人々の心に生き続ける勇姿。それはまぁ、伝説っちゃぁ、伝説なんですが。童貞の一人として言わせて頂きますと今回はバットマン以上に、悲しい男が出てきちゃいましてね。多分、彼、童貞だと思うんですよ。なので、今回は彼に拍手を送りたい!!「誰の事だよ?」って、べインに決まってるじゃないですか!!