『ロケッティア』―空飛ぶ無職が世界を救う―

1991年にアメリカが映画化したコミックヒーロー映画『ロケッティア』がこの度、めでたく無事ブルーレイとして不死鳥のごとく復活したので再鑑賞。
再鑑賞とデカいことを言ってしまいましたが、実際、僕がこの映画を初めて観たのは全身無垢な保育園時代ですから、大した記憶はないが、背中にロケットエンジンを装着しただけで大空を縦横無尽に飛び回るという、幼稚でリアリティーのカケラも無いが夢だけは満タンな設定は今も鮮明に覚えているこの映画。
そんな映画だからこそ、今でも世界中で愛されているんでしょう。

この物語は無職になったばかりの青年クリフが偶然、手に入れた装着式ロケットエンジンX−3と体をドッキングさせることでアメリカのご当地ヒーロー「ロケッティア」となり、悪党と戦う姿を面白おかしく描いています。

最近のヒーローは信念がどーのこーの、正義とはなんとか…そんな偏差値高そうな悩みを抱えながら戦うが、クリフにはそれらがまるで無い!!
やっぱり、ヒーローはこうでなきゃ!!


クリフはX−3を持ち主に返却することも無く、親友の天才技師ピーヴィーと一緒に近所の畑で飛行実験を行うわ、エンジンに勝手な改造を加えたりと二人の余念の無いチャレンジは速度を増していく。仕事探せよ

こうして、金は無いが無駄に熱い情熱と根拠の無い自信が実を結び、ロケット背負って空を飛ぶという小学校低学年レベルの夢が現実のものとなるが、同時にその技術を横取りしようとする近所のギャングとFBI、強靭なタマキンを持つ殺し屋、エンジンを兵器に転用して世界を空から征服しようと目論むナチス
これら非常識な大人たちに命をロックオンされてしまった無職の一世一代の戦いが今始まる。


観よ!! これがナチスの考え出したロケット人間強襲作戦だ!! これは恐ろしい!!
クリフよ。世界を、世界を救ってくれ!!



こちらは公開20年記念で作られたアニメ版『ロケッティア』。
91年版でもしつこく描かれたダサカッコイイが丁寧に描かれているのが最大のポイント。


一般無職がナチスの野望を打ち砕くこの映画を撮ったジョー・ジョンストン監督はこの20年後、
一般童貞がナチスの野望を打ち砕く『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』の監督に抜擢されるのであった。