Godzilla 不死身の怪獣王

1998年に起きた『ゴジラ冒涜事件』。
世界中の国民感情が大爆発したが今度は大丈夫だ! トカゲじゃない!!
直立姿勢、漆黒の肌、光る背びれ、放射能熱線!! 頭からしっぽの先までゴジラ!! 僕らの大好きな怪獣王が帰って来た!!

実際に行われた水爆実験の記録映像とゴジラの記録映像を交互に映し出す冒頭から、僕のアンテナは過剰反応を示した。
しかし、驚くのはまだ早かった。
今回のゴジラもやっぱり日本版とは異なる点がいくつかある。特に水爆怪獣の履歴が大きく過失修正されており、この変更点を受け入れられるかどうかが評価の分かれ目になると思う。多分、そんな気がする。 


この予告が公開された時、世界中のゴジラファンは「初代のような怖いゴジラ」が観られると信じて疑わなかった。僕らの期待通りゴジラは大津波を引き連れ上陸し、ハワイで呑気にバカンスを楽しむ人類と犬を恐怖のドン底に叩き落とした。あらゆる兵器を物ともせず、優々と街を踏み潰すデタラメな光景はまさに初代ゴジラ
しかし、それは前半だけのお話

なぜならば、後半は昭和版、しかも後期のような怪獣デスマッチが幕を開けるからだ。
「初代」が大好きな方にとっては微妙なお知らせかもしれませんが、まぁ、怪獣プロレスもまたゴジラの醍醐味ですから。あと今回のゴジラは一見するとCGの塊のようだが、実際は人が演じています。『猿の惑星:創世記』(11)で見事な猿芝居を演じたアンディ・サーキスの動きを取り込んだ結果、ダイナミックな動きと細かな表情を合わせ持つ新ゴジラが誕生した。この決断に踏み切ったギャレス監督は違いの分かる男であることは言うまでもない。


ギャレスも凄いが、渡辺謙も凄い!!
博士を演じる謙さんは、がん首揃えてウ〜ンウ〜ン悩んで怪獣対策を練っている米軍の前で突然「ゴジラに任せましょう!!」とか「怪獣同士で戦わせましょう!!」といい歳した大人とは思えないアイディアを連発。
その姿はもはや博士ではなく、ただの怪獣オタクだった。でも、その気持ちは痛いほどよく分かるよ。

ゴジラに牙を剥く新怪獣の名はムートー。しかも新婚である
この新婚怪獣がシーゴラスとシーモンスをも越える息の合った連係攻撃を見せたかと思えば、街のド真ん中でキス!!
街をブッ壊す怪獣もいいけど、怪獣同士のラブシーンも一興ですな〜。(*´〜`*)
怪獣が大好きな方ならムラムラしてしまいますが、同時にギャレス監督が2010年に手掛けた怪獣映画『モンスターズ/地球外生命体』を思い浮かべた方もいると思います。




『モンスターズ』では怪獣同士が人類の前で触手を使った、ねちっこい交尾を始めるという怪獣映画の新たな可能性を示してくれた1本でした。
ひょっとしたらギャレスはただ怪獣にエッチなことをさせたいだけなのかもしれません。とは言うものの、この狂気を帯びたスケベ心なくして、この傑作は誕生しなかった。
そのことを我々は決して忘れてはいけない。
だからこそ、当ブログでは今後も一般人では理解できないような性癖を鋭くえぐっていきたいと思う!!
でも交尾のシーンが今回登場しなかったのは正直残念だったな…。ギャレス、僕は観たかったよ。ムートーの巨大交尾。


メインテーマもザ・怪獣映画な仕上がりで最高!!