スピンオフでおかえり ヒット・ガール

ヒット・ガール (ShoPro Books)

ヒット・ガール (ShoPro Books)

映画『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』の原作であり、『キック・アス2』の序章的な位置づけである本作。
そう言えば、海外での公開時にヒーロー映画なのに内容が暴力的だと叫び出し、仕事をボイコットした大人げない俳優がいたが、彼はこの映画が少年少女に破壊衝動を植え付ける危険性があるとでも訴えたかったのか。あるいはただ心を病んでいただけなのか。
真相は闇に埋もれてしまったが原作は実写よりも更に暴力的なので、そのボイコット野郎を正座させて、じっくり読ませてやりたいなぁ。

本作はタイトルが物語っている通り主人公はヒット・ガール。
それだけでニヤけてしまうのに彼女が100通りの殺し方を駆使して悪党を100人以上殺し回る姿は、まさに小さなゴジラ
ヒット・ガールとしての蛮勇だけでなく、学校でのイジメ問題を暴力で解決する私生活での蛮勇も描かれている。
おそらく、原作版ヒット・ガールを演じ切ることはクロエ・グレース・モレッツでも不可能。倫理的な問題でね。あとクロエの体がもうデカい。

常軌を逸した絵が続く本作だけど、撲殺に使ったトンカチをムジョルニアと呼んだり、雪山で青い花を摘んだりとアメコミ好きだったらクスリと笑ってしまうネタに加え、今回はクリスチャン・ベールに対して嫌がらせとしか思えないジョークを堂々と挟み込んでくる出し惜しみの無い姿勢は称賛します。
とにもかくにも、ヒーロー好きとヒット・ガール好きとロリコンは必読の一冊です。