『 キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』〜おかえりキャプテン〜

ここ数年でたくさんの外国産ヒーローが押し寄せ、そろそろ食傷気味になり始めている方いますよね?
だけど『 キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』は死に物狂いで観るべき一本
今、世界中で凄まじい売り上げを叩き出しながら僕らのキャプテンの大逆襲が始まる!!

                               〜これまでのキャプテンアメリカ

すべては2011年に公開された『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』から始まった。
アメリカで最も貧弱な体を持つ青年スティーブ・ロジャースは、心の宿した異常な正義感と愛国心を買われ『スーパーソルジャー計画』に組み込まれる。そこでスティーブはたった一つの人生を捨てて生まれ変わった不死身の兵士キャプテン・アメリカとなって独裁国家の野望を叩いて、叩いて、叩いて、砕き続けた。
地味な童貞がキャシャーンのごとく取り返しのつかない体になって戦う夢のある物語。星条旗をまとった恥知らずな姿は世界中の男子に勇気を与えた。
強い、優しい、そして純潔。真のヒーローが持つと言われている三大要素をほしいままにするキャプテンは色々あって北極の海に浸かって長い眠りにつく。
彼の人生は一体どこまで取り返しのつかないことになっていくのか? 嫌でも期待は高まった。ところが…。


そして翌年公開された『アベンジャーズ』。
70年の眠りから覚めたスティーブ・ロジャース(童貞)が見たアメリカは秘境同然。覚めなきゃよかった…。
寝起き早々に精神はギリギリだと言うのに、性格に問題がある金持ち、キレると人類とは思えない姿に変貌する草食系男子、挙句の果てに神様までいるスーパーカオスなチームに入って、そいつらと一緒に宇宙人を倒して地球を救ってくれ、ねぇ。
今度はアメリカそのものが取り返しのつかない事態に陥っていた。しかも、がん首揃えてオモチャみたいな姿をしている同業者たちと比べて僕の武器は中華鍋みたいな盾1枚。タイツの色は群を抜いて派手だが存在感は薄かった。

                           


アベンジャーズ』から2年後の世界。キャプテンはヒーローたちのねぐらである秘密組織S.H.I.E.L.D.の特別捜査官に着任していた。
今回の物語は僕らの居る世界と同様にテロ事件がキャプテンたちが居る世界でも起きたという前提で始まる。
そのため政治色の濃い内容が繰り広げられます。
S.H.I.E.L.D.は世界の平和を守るため地球上からテロリストだけでなく国家に対して将来的に危険な存在になりそうな人間を一斉捜査して武力で押し潰す大規模なドブさらいを計画。
キャプテンが愛する国は、かつて敵対した独裁国家と同じ道を歩もうとしていた。
アメリカは変わった。君も時代に合わせて生き方を変えるんだ。もはやキャプテンの言い分は誰にも通じない。
ノーラン版バットマンなら正義について自問自答して延長戦に持ち込んだ挙句、「どうですか?僕は他のヒーローたちと違って現実味があるでしょ?」と言い寄って来そうですよね。確かに現実味はある。ヒーローも楽じゃないと痛いほど伝わってくる。だけど、お前の思想はヒーローの風上にも置けないよ。
キャプテンは場合、絶対に悩んだりしない。それは何故か?
だって彼は「僕は誰も殺したくない。でも悪党は嫌いです。どこの出身であろうと。」という大昔から変わることのない志を持っているからだ。
今度は命を捧げた国から反逆者と呼ばれて、命を狙われたとしても絶対に諦めない。
                           
悩んで傷つくくらいなら悪党と戦って傷つく道を選ぶ。だからキャプテンはカッコいいんだ!!
もうヒーローは彼一人でいい。この際だアベンジャーズなんていらん。解散しろ!!
まぁ、かと言ってキャプテンだって悩みますからね。あと、ある人たちとキャプテンが感動の再会を果たす場面が物凄く切なくてね。
鑑賞中に涙がどんどん溢れ出た。文章を書いている今も思い出して泣きそうだよ…。
ヒーローだって悩んでいいんですよ。