キックアスとヒットガールに会いたくて

                

2月16日の日曜日。
僕はこの先、どんなことがあってもこの日を忘れない! 絶対に!!
だって、絶対に会えないと思っていた人たちに会えたんだよ! 誰に会えたかって?
きっと驚くよ!!

この話は14日の深夜にまでさかのぼるんだけどね。誰もが寝静まる深夜に僕の心臓の鼓動は高鳴り、鼓動に連動して火照りだした体を布団の中で押し殺し、ゴロゴロゴロゴロとのた打ち回っていた。スケベなことを想像していたわけではない。
15日になっても感情はおさまらず、職場だろうが自宅だろうが場所を選ばずして僕の頭の中は16日のことでいっぱいだった!!
心や魂すらも支配されていたと言ってもいい。

そして、遂に迎えた16日。僕は早起きして電車に乗り込み、名古屋を目指した。辿り着いたのは名古屋の映画館『109シネマズ名古屋』。
今一度言おう!! 今回の目的は映画観賞ではない。
この日のこの場所にやって来た真の目的は、僕の大好きなキック・アスとヒットガールに会うためなんだ!!
来週から公開される映画『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』を記念して急遽、二人がスクリーンと言う垣根を飛び越えてやって来たんだ!! もー!! 最高だったよ!!
だけど、見ての通り僕は内気な面が強烈でね…。登場した二人を目の当たりにした途端、感動を通り越した謎の感情が一気に込み上げてきた!! 僕は目を皿のように丸くして、頭からお尻まで硬直してしまった。二人が目の前にいると言うのに体が動かない! 声すらも出ない…。僕と彼らとの間には目に見えない柵があるように感じ始めたら、どんどん怖くなって、恥ずかしくもなってきた…。

だけど、勇気を出して目に見えない柵を飛び越えて、力の限り振り絞って出した擦れた声でお願いしたんだ。
「記念…記念写真お願いしてもいいですか?」ってね。


その結果がこの写真だよ。
僕はこの瞬間のために2日間かけてイメトレして、風呂上がりに洗面台の前に立ってポーズの練習もした。
そして、完成したのが、このファイティング・ポーズなんです。
僕の横でピースサインをキメていたヒットガールが僕の姿を見て
そっちのほうが良いね!!(小声)」と言って同じポーズをとるガーリーな対応をしてくれてね。
本当に嬉しかったなぁ〜。
しかも小声で囁いてくれるだなんて!! 耳がとろけるよ!!

人は言う「人間は何かを成し遂げるために生まれてくる」と。
僕にとってのその「何か」はこの記念撮影だったんだと確信したよ。
僕はこの日のためだけに、今まで生きてきたんだ!!