『サイレント・マウンテン』―赤いかき氷―


死霊のはらわた』を引用して『悪霊のはらわた 』という映画をでっち上げた恥知らずなソニー・ラグーナ監督がまたまたでっち上げました!!
この物語の女主人公ウィノナはカーナビをも黙らせる未開の雪国にはるばるやってきて、間違えて殺人鬼のねぐらに宿泊してしまったという運が悪いにも程がある展開を力押しで乗り切ります。

彼女は近所の飲み屋で偶然、元カレと再会。そこへ更に頭の悪そうな面構えをした元カレのバカ友も加わり、ぶっ殺されるとも知らずズカズカとみんなで殺人鬼のねぐらに上がり込んでカンパーイ!!
ウィノナはさり気無く元カノに熱い視線を送るも、元カレは「過去は過去だ」とシラを切る。見るに見かねたバカ友は「彼女はお前を待っているんだぞ!!」と力の限り根拠の無い理由を並べて励ますも決意の固い男の前ではまるで効果なし。

ところが、あらゆる誘惑にも耐えてきた元カレの鉄の心を動かしたのはウィノナの発した「気が変わったら、部屋に来て(小声)」だった。スケベな言葉が閉ざされた男の心を動かしたのではない。小声が男をイチコロにしたのだ。女の子の小声による誘惑は回避できませんからね。まさに必殺技!!
何とかその場は耐えて「僕はソファで寝るよ。」と言って毛布にくるまるも、無限に湧き上がるモヤモヤした感情と正直な下半身を必死で抑えようとして、のた打ち回っているとその背後でスーッと斧を持った人影が通り過ぎていく場面はかなり怖いが、こんな無様な格好で殺されなくて本当に良かったよ(笑)。

結局、小声の破壊力で粉々になった元カレはウィノナが待つ寝室で盛大な夜を迎えるのであった。どうせ殺されるんだから楽しむがいいさ。
寒空の下、招かれざる客に居場所を奪われ、床には飲み散らかされたビール瓶がゴロゴロ。寝室では恋人たちが体を温め合っている。孤独な殺人鬼は「幸せな奴は憎い!!」と世界共通の殺意がフルチャージされた斧を握りしめ人間狩りの準備をしていた。

今回も残念ながら日本未公開となってしまいましたが…人体破壊だけには余念の無い活発なソニー監督のでっち上げ映画をいつの日か大スクリーンで観たいものです。
小声最高!!