『死霊館』―再鑑賞―

死霊館 ブルーレイ&DVD(2枚組)(初回限定生産) [Blu-ray]

息の根が止まるほどの破壊力を持つホラー映画『死霊館』を遂に自宅に迎え入れる日が来ましたよ！！
この映画には残酷な描写がほとんど無いけど、とにかく怖い！！ それは監督のジェームズ・ワンがそんじょそこらの監督とは一味も二味も違う…まさに違いのわかる男だったからこそ出来た偉業だ！！ と僕は思うんですよね。
収録されている特典映像によれば、当初はホラー要素がそこら中にゴロゴロしている心臓に悪い作品だったが、そこへ物申した違いのわかるワン監督がホラー要素を大幅にカットして、ジワリジワリと攻めるようにと脚本家にオーダー。「ホラー映画なのにホラー要素を減らせだなんて…」と率直な疑問を抱えるアマチュア脚本家には分かるまい。この捨て身の省エネ作戦が結果としてあのスリリングな空間を生み出したのだよ。

この『死霊館』は「引っ越した屋敷に戦闘本能むき出しのオバケがいた。」という意味なんですが、でもこの映画には派手な流血、飛び散る内臓、そんな血に飢えた陰気な映画男子が喜ぶような生臭いものは出ません。それどころかオバケもなかなかその姿を現さない…恥ずかしがっているのか？ そう思うかもしれないがそれは違う！！ 見えないから逆に怖いんです。
目には見えないけど、この映画に登場するオバケは強烈な体臭を帯びているからとにかく臭い！！ ソイツが館中を軽い気持ちで散歩するだけで家族は臭くて臭くて夜も眠れない。目には見えないが、とにかく臭い！！ そんなオナラみたいなオバケが大暴れするこの映画、一見の価値ありですよ！！