『マイティ・ソー ダーク・ワールド』―暴れ回る男たちの神話―

                         


公開前から不安になる報道が続いた本作。そんな不安を吹き飛ばす圧倒的な勢いで『アベンジャーズ』(12)をも過去のモノにしてしまった本作。
つまり、老いも若きも、男も女も、オタクも腐女子も。誰もが大好きなファンタジー大将 マイティ・ソーが再び映画館に帰ってきたということだ!!
しかも今度は単品だ!! 誰にも遠慮はいらん!! 大いに暴れろ!!
                        


アベンジャーズ』の死闘から1年後の世界を描いた本作。
地球だけでなく今度は宇宙に、そして再びマイティ・一家に巨大な危機が雪崩込んできます。地球でソーの帰りを待つ天文物理学者ジェーンは飯の時間ですら考えることは、あの人のことばかりで上の空。一方、彼女の意中の神であるソーは悩み苦しんでいた。ソーの父ちゃんは王の座をそろそろ自慢の息子に託そうと考え始め、まだ王になってもいないのに勝手に息子のお妃候補までチョイスし始めていた。だが、ソーのお妃はジェーンが予約済みであることは言うまでもない。ところが地球人をヤギ程度にしか思わない父ちゃんが神である息子とヤギである地球人との不純な交際を認めるなど断じて無かった。


その頃、ロンドンでは謎の怪奇現象が発生していた。ジェーンは調査のためロンドンに訪れ、現場に到着した彼女はそこでソーの父ちゃんの父ちゃんが遥か昔に封印した宇宙をも破壊する超兵器エーテルと遭遇し、これを体内に取り込んでしまう。最愛の人の著しい体調変化に気づいたソーは全速力で地球に舞い降りるも、彼女はもはやジェーンではなかった。「人間じゃ治せないんだろうなぁ…。」と思ったソーはとりあえず最終兵器彼女と化したジェーンを連れて実家に戻るも、父ちゃんはカンカンになり、更にそこへエーテルの真の持ち主であるマレキスと彼が率いる闇の大軍団が宇宙征服を実現させるため「それ返せ!!」と殴り込んで来て、そこら中に火を放ち平和な神々の国は大混乱。
頼んでも無いのに宇宙で最も価値のある女の子となってしまったジェーンを奪い合う戦争は、地球や神々の国を巻き込んで拡大し始め、事態を収拾できなくなったソーは反逆罪覚悟でとんでもない計画を思いつく。
それはかつてマイティ・一家を崩壊秒読みに追い込んだだけでなく、八つ当たりと称してニューヨークに血に飢えた武闘派宇宙人を大量にばら撒いたこの世で最も迷惑な神であるロキをマイティ・刑務所から引っ張り出し、補欠戦士として仲間に加えるという一か八かの大勝負だった。

と厚みのある愛と友情と正義の物語を披露してくれた本作の魅力はまだまだあります!!
第一作目でソーのためなら命をもポイ捨てする気のいい二軍の神々(この中に父ちゃんが決めたお妃候補がいる)や地球で出会った三軍の地球人科学者たちも積極的に前に出てきます! 何故か浅野忠信だけは引っ込みますが…
特筆すべきは三軍のエリックの大活躍は目を皿のようにして観て頂きたい!!この人は『アベンジャーズ』でロキに洗脳されて地球滅亡に手を貸してしまった哀しい履歴を持つ科学者なんですが、今回はそんな過去を清算するために老骨に鞭を打ってフルチン(残念ながらモザイク有)となって走り回り(しかも何度も出てくる!!)、『マイティ・ソー』の原作者であるスタン・リーの靴を奪い取って世界の危機を演説したり、若い娘たちの前で自慢のパンティーを披露したり、とにかく(下半身が)凄いので、これから映画館に出発する方は、ぜひともソーだけでなくエリックの暴れ回る下半身にも熱い視線を送って下さい!!