『ランボー 怒りの脱出』が僕らに伝えたかったこと

                       

2014年が始まって、まだ数日しか経っていませんがその間、映画館ではムチムチの女の子が森で弓をピュンピュン射る『ハンガーゲーム2』が上映されていますが、今回はその映画の話ではなくムキムキな不器用男が森の中で弓をビュンビュン射る『ランボー 怒りの脱出(85)』という映画に隠された事実、それはこの映画はアクション映画でもあり、恋愛映画でもあったのだ。今回はそんな内容でいきます。言っていることに無理があるのは百も承知。だが本当なんだ!!

僕はここ数日、『ランボー 怒りの脱出』ばかり観ているんですが、この映画は世間では大した演技はできないが、筋肉だけは特盛なスタローンが自慢の筋肉を1秒でも多く披露したいがためだけに撮られた強烈な自己満足などと言われ、それはまるでスタローンのオナニーを観ているような錯覚に陥る映画だと言ってもいい。結果的に最低作品賞 最低主演男優賞 最低脚本賞 最低主題歌賞をまとめてゲットしてしまった。
でもね。こんな表面的な評価なんて僕らにはどーでもいいんです。この映画は女の子とお話したくてもできない、一歩踏み出すどころか全速力で後退していく内気男子をスタローンが力の限り応援している最高の映画なんだ!!

スタローン演じるランボーは人を殺すことでしか自分を表現できない異常な男で、上司からは「彼は勝つことしか考えない純粋な殺人マシーンだ! ヤギが吐いた物まで喰う!!」と人間とも思われていない。ところがそんな人間兵器が唯一苦手とするものそれは女の子だった。

この映画ではランボーを目的地まで案内するコー・バオという女戦士が登場するんですが、この女戦士がドラ猫みたいな顔でね。いや、違うな。菊池凜子たんに近い面構え、アジアの凜子たんと言うべきか……物凄くかわいい子でね。
ランボーは最初、彼女を敵(しかも男だと勘違い)だと思って殺意剥き出しの顔で襲い掛かるんだけど、彼女の顔を見た途端にさっきまでのおっかない顔が、下校中に不法投棄されたエロ本を発見してしまった小学生みたいな顔になるんです。ここから殺人マシーンと呼ばれた男が彼女の魅力で徐々に人間になっていくのだ。

二人が舟で川を移動中、ランボーは考えていたと思うんですよ。「どーにかして彼女に自分を知ってもらいたい。でもどーすればいいんだ!!」と。
戦闘スキルはあっても恋愛スキルの無いランボーが浅知恵絞って導き出した答えは服を脱いで、やっぱり筋肉を披露することだった。
無口な筋肉が漂わす気まずい雰囲気を打ち消すためコーが「ランボー、ご飯食べる?」と切り出すも「いらん。」とそっぽを向いて即答。そんなことを言いつつも、さり気無くコーに接近し、彼女の真横に座って無理してクールを装い始めるランボー。明らかに殺人マシーンの様子がおかしい。予想外の行動にさらに気まずくなったコーは「ねぇ。あなたのこと教えてよ?」と早くもランボーの願いが天に通じたのだ。
ところがランボーはここ数年、哀しいことばかり経験していたために彼の口から出てくるものは、どれもきっつい過去ばかり。さっきまでニコニコしていたコーが「そうなの…。」とシュンとなっていることに気づいたランボーは焦り始めた。落ち着かないのか船長の許可なく床をナイフでガリガリ削り始め、不審な動きをするランボー。明らかに殺新マシーンが悲鳴を上げている。
戦場とはまた違った緊張感が駆け巡る舟。このお通夜のような雰囲気の突破口を探るランボーは彼女の首飾りに気付いた。これだ!!
「この首飾りは何だい?」と軌道修正開始。首飾りに気づいてくれたコーも嬉しそうに「これは私のお守りなの!! ランボー、あなたのお守りは?」
するとランボーは「俺のお守りはこのでっかいナイフだ!!」
そして殺人マシーンは自爆した。
気になる女の子を笑わせようと夜中に布団にくるまって眠りに落ちるまで、たくさんのジョークをあれこれ考えたが、結局その子を前にすると緊張して言えずじまい。そんな哀しい履歴を持つ男子には痛いほど共感できる場面ですね。

作戦ポイントに到着したがランボーはそれどころではなかった。なぜならば今回のミッションは戦闘の不要の偵察任務、筋肉の見せどころが一切無い。
良いとこ無しで帰還したら、自分はただの変態としてコーに記憶されてしまう。「任務なんてクソ喰らえだ!!」と恐怖に怯えるコーを無視して恋の炎を身にまとった男は手際よく敵を血祭りに上げていく。その姿はもはや人間ではなくただの殺人マシーンだった。結局、言葉で示すよりも行動で示す方が良いんですよ。男らしいしね。
まぁ、コーにとってはたまったもんじゃないんですが。(笑)

          

まだ観ていない方は是非とも鑑賞して頂きたい。安いしね。