『47 RONIN』―吉良の野望を打ち砕け!!―

                          

             怪獣に天狗、真田広之さんに菊地凛子たん、浅野忠信さんの生首!!
            ねつ造上等!! 僕らの見たかった時代劇『47 RONIN』!!

                   
江戸時代に実際に起きた殺人事件をもとにして作られた人気作『忠臣蔵』をハリウッドが大金にものを言わせてリメイク。外国が日本の文化を描くとウソで塗り固められたインチキ日本ができあがる。そんな不安をお持ちの方。いますよね?
残念ながら今回紹介する『47ROIN』は隅から隅まで潔いほどにインチキです。基本的な道筋は『忠臣蔵』とだいたい一緒ですが、監督のカール・リンシュは寄り道感覚で怪獣、天狗、妖術、そして菊地凜子たんを物語内に追加オーダーするような信頼できるカーナビをお持ちの方で、その結果、原型をとどめていない、変わり果てた『忠臣蔵』が誕生。強烈なまでに開き直ったこの映画は真面目な歴史マニアたちを間違いなく敵にまわすが、僕のような頭の悪い映画男子には温かく迎え入れられる作品となったことは間違いない。
このステキな映画を親日と観るか、国辱と観るか、今あなたの心が試される!!

異国の血が混じった少年カイは心無い日本人から鬼子と呼ばれ、幼くして壮絶な人生を送っていた。ある日、カイの前に現れた浅野内匠頭はホモではないがこのミステリアスな少年に惹かれるものを感じ、周囲の反対を無視して彼を屋敷に迎え入れる。そこで知り合った浅野の娘 ミカ姫と身分の違い過ぎる凸凹な恋に落ちる。人生何が起こるか分からないものである。

時は流れてカイは中年のキアヌ・リーブスに、純粋無垢なミカ姫は凄味の効いた顔つきの柴咲コウさんに成長。その一方で、浅野忠信さん演じる吉良上野助は秘かに浅野内匠頭が治めている領地を横取りし、ゆくゆくはこの日本を手中に収めようと目論んでいた。
浅野忠信ごときが日本を征服できるのか?」と思った方いますよね? でも、できるんです。

なぜならば、彼の背後には強力な妖術を使う謎の美女ミズキが暗躍しおり、上野助は大して働かないが、ミズキがせっせと上野助の陰気なお願いを何でも叶えてしまうのだ。しかも、このミズキを演じていたのはイェーガーを自在に操るスーパークールビューティー 菊地凛子たん。柴咲コウさんと菊地凜子たん、日本が誇る二大ドラ猫顔女優が激突!!
ミズキの活躍により浅野内匠頭は帰らぬ人となり、彼につかえていた家老 大石内蔵助真田広之)と家臣たちは一斉に解雇、カイは売り飛ばされ、浅野内匠頭が愛した領地は上野助に奪われ、ついでにミカ姫も奪われてしまう。

職も無なければ、金もない。だが主人に対する忠誠心だけなら誰にも負けない大石内蔵助はかつての仲間をかき集め、ファンタジーな暴力によってこの世を去った主人の無念を晴らすため、失業者のみで構成された男だらけのリベンジ軍団「47 RONIN」を結成。目的は当然、吉良の抹殺。死んだ歌手の追悼コンサートのようなムードで再び燃え出す47人の無職たち。明らかにミカ姫のことを忘れている…
一方、敵地で軟禁中のミカ姫はミズキにいじめられていた。
信じてもらえないかもしれませんが、ミカ姫は顔はおっかないが小動物のようにおとなしい。ミカ姫が口答えできないことを良いことに意地悪なミズキはモニョモニョした可愛い声で「ねぇ?あんたってさぁ〜」ときっつい言葉の連打で彼女のやわなメンタルをネチネチと削り取っていた。男には男の、女の子には女の子の戦いが繰り広げられ、何故か忠信の存在感はどんどん薄れていった