『パシフィック・リム』〈結婚したいパイロット編〉

                  

前回、このブログで元気良く紹介した通り『パシフィック・リム』は、怪獣と巨大ロボが殴り合うケダモノ映画です。
ですが、今回の〈結婚したいパイロット編〉では前回の主張を全部パーにするようなことを言わせて頂きます。
この映画、信じてもらえないかもしれませんが…物凄くピュアな恋愛映画でもあるのです。
それは菊池凜子たん演じるヒロイン・森マコの視点で描かれる人類が滅亡寸前の最中に芽生えた壮大で小さな愛…そんな、高橋しん先生の魂を勝手に受け継いだ物語なのです。

マコたんは幼少時(芦田愛菜)に怪獣が引き起こした哀しい事件を体験する。
少女はその小さなタレ目に復讐の炎を燃え上がらせ、大人に成長した彼女はツリ目の科学者になっていた。
そして、2025年。その年は彼女にとってあらゆる意味で運命的なものとなる。

自分が担当した巨大ロボ・ジプシーデンジャーのパイロット・ローリーとの初対面を果たすも、チャージされた期待は豪快に空振り、第一印象は「イメージと違う…。」だった。それもそのはず、ローリーは5年前なら英雄の名前を欲しいままにしたが、今はドカタの身であった
また、ローリーのマニュアルにとらわれない規格外な戦法にもマコたんは難色を示し、伝説のパイロットを相手に彼女は「私、シュミレーションでは51戦51勝なの。エッヘン!!」と自身が叩き出したハイスコアを自慢げに語るも、実戦経験豊富なローリーにとってシュミレーションなど100均の商品みたいで信用ならんと軽く見られてしまう。

カチンときたマコたんは自室に向かうも、我慢ならん態度で爆発寸前だった。
ふと、お隣のローリーの部屋に視線を向けると、そこには引き締まった肉体美を披露するローリーというサプライズに彼女の感情は爆発を通り越して、もはや別次元とも言える領域に到達し放心状態に陥ってしまう。
高ぶる未知の感情を抑えて自室のドアを閉めるも、鍵穴から再びローリーの体に熱い視線を送るどこまでも不器用なマコたんであった。

ローリーは相棒パイロットを決めるため、相棒候補者たちと共にカンフーを披露し合って身体的適正をはかるアクション試験を行っていた。
候補者たちはローリーの美しいカンフーについてこられず、次々と脱落していく。一人また一人と候補者が消える度にマコたんの顔が「ムグググ…」とドンドン険しくなっていく。
ここでも彼女は彼の戦い方にケチをつけ出したのだ。
(気になる子には、ついついイジワルをしてしまう。そんな素直になり切れない気持ち…痛いほど分かりますよ。)

すると、ローリーは「彼女との適性もはかりたい。」と、お誘いするも司令官はそれを認めなかった。しかし子犬のような罪の無い瞳(このときの表情が物凄く可愛い!)でお願いするマコたんにさすがの司令官も「そ、そうか…じゃぁ。」と根負けしてしまう。
こうしてマコたんは、気になるアイツとのアクションデートに向かうため、棒を片手に素足となって(このときアップになる素足が物凄く可愛い!!)力強く一歩前進するのでした。

               
                

どうですか? ちゃんと恋愛映画してるでしょ?
怪獣によって女子力を奪われた女の子が勇気を出してオシャレに目覚め、グレイトな女性に成長していく姿をぜひとも映画館で、ついでに人類の命運も見守って下さい。

個人的にグッと来たのは上映終了までローリーとマコたんは、一度もキスなんてしないんですよ。エライ!!
それは鋼鉄の貞操観念と言ってもいい。
映画の世界だと主人公が世界を救ったら、ヒロインがお礼にチューしてくれるけど、1時間半〜2時間程度の上映時間の間で相思相愛になって、おまけにお礼のチューまでしてくれるなんて、そんな虫のいい話があるか! 我慢ならん!! 
怪獣軍団との闘いは終わっても、ローリーとマコたんの物語は始まったばかりなのだ。
何だか、深いことを言ったような気がするので、今日はここでピリオドを打ちたい。
                              
       

                        
                                またね。