『コレクター』-ティンカーベルを救い出せ!!-

今回紹介する映画は、アメリカで実際に起きた女の子のみをピンポイントで狙ったゲイリー・ハイドニック猟奇事件を原料にして作られた不謹慎映画。それがこの『コレクター』なのだ。
本作の感想文を書く前に、この映画を観る最大の動機を見放されること覚悟で告白させて頂きますと、異常者にさらわれた娘を俳優メイ・ホイットマンが演じていると知ったからなんです。
メイ・ホイットマンと言えば、僕がしつこく追い続けているCGアニメ『ティンカー・ベル』シリーズでティンカー・ベルの声を担当してるキュートな方なんです。

つまり、脳をフル稼働させて死ぬほど努力して妄想すれば、
メイ・ホイットマンが異常者にいやらしいことをされるシーンが、ティンカー・ベルがいやらしいことをされているように観えてくるのでは?
それはまさに大スクリーンに映し出される体感型エロ同人誌と言っても過言ではない。
僕は根拠の無い可能性を信じて、全速力で映画館へ向かったわけだが……。


*ネタバレあり

雪が降り積もる真夜中に童貞みたいな顔した男が、オドオドしながら1人の娼婦を家に招き入れた。ところが、この娼婦の正体はチンチンの生えた男の娘だったのだ。そのサプライズに男は荒々しい感情を剥き出しにして男の娘を瞬殺。
何だかよく分からないが、掴みとしては合格点なオープニングで本作は幕を上げる。
この映画の主人公・マイク刑事は未解決の娼婦失踪事件を追っていた。職場では難航する事件に頭を悩ませ、家に帰っても口の汚い妻と反抗的な娘のアビー(メイ・ホイットマン)が常に口喧嘩しており、家にも職場にも彼に安らぎは無かった。
ある日の夜、アビーは母親の言葉に大爆発して家を飛び出し、慰めてもらおうと下心剥き出しで彼氏のバイト先に転がり込むも、彼氏から別れ話を持ちかけられてしまう。
再び大爆発して店を飛び出したアビーの背後には真っ黒い車が忍び寄っていた。
その日を最後にアビーは行方不明となってしまう。なんとも凄い人生である。

この物語は誘拐された娘を、お父ちゃんが命がけで救い出す物語である。
自分が担当している事件に娘が関わってしまい、マイクは次第に正気を失い始め、狂気を帯びた独自の捜査は罪の無い人々を恐怖のどん底に叩き落とし始める。



一方、誘拐されたアビーが目を覚ました場所は、ぐったりした女の子たちが共同生活を送る薄暗い地下室だった。
犯人の目的は誘拐した女の子たちを監禁・洗脳した後に自分の子供を産ませて、子供帝国を築き上げることだったのだ
おまけに子供を産めない女の子は井戸にポイ捨てするという念の入った異常さまでも披露する。
しかし、それ以上におっかないのは誘拐された女の子たちの中にブリタニーという名前の子がいるんですが、(演じたのはサム・ライミ版『スパイダーマン』でスパイダーマンが住むアパートの大家の娘を演じたマゲイナ・トーヴァ。)監禁されている女の子たちは、みんなぐったりしているのにブリタニーだけは異常に元気なうえに乱暴狼藉を撒き散らして、明らかにこの状況を楽しんでいたのだ

その頃、マイクは衝撃的な事実に直面していた。なんと最愛の娘アビーは既に妊娠していたのだ。今まで鬼のような形相をしていたマイクが一瞬、冷め切った無表情になるんですが、このわずかな時間の間にきっと「娘を誘拐した犯人を追うべきか? 娘の貞操を奪った男を探し出して殺すべきか?」と物凄く悩んだんだと思います。だけど、マイクは人の道を踏み外すことなく捜査を再開。泣けます!!

しかしこの映画、大して面白くないんですよ。面白くないうえに生意気にも事件を完全に解決させないわ、続編をほのめかすわ(絶対、実現しないと思うが)で、なんか納得もスッキリもしない結末にこっちまでぐったり。

←この状況を一口で説明することは不可能だが、逆さ吊りになっている子が問題児のブリタニーである。
内容は微妙だったけど、この子の演技だけは凄かった!!
どこのメーカーでも構わないので、この子がプリントされた抱き枕を一刻も早く作ってくれ!!