『魔女と呼ばれた少女』 

突如として吹き荒れた春の嵐の猛威で自宅の部屋の屋根に穴が開き、職場では心に穴が開き、場所を選ばずウンザリすることばかりで、この世には敵しかいないのか? 
屋根の穴にゴミ袋を貼り付け、真実を求めて映画館へ全力ダッシュ!!
そして観て来た映画は『魔女と呼ばれた少女』。
アフリカの少年兵問題を扱った凄くショックな映画だったよ。自分の悩み、屋根に空いた穴。
それがいかにミクロな悩みなのか思い知らされたよ…。


*警告・力強くネタバレしてます。

必要に迫られ大人になった12歳の少女
舞台となるのはアフリカ大陸内にあるコンゴ民主共和国
村で暮らす12歳の少女コモナ。突如として攻め込んできた反政府軍により村は踏みにじられる。反政府軍の目的は村の子供を拉致・洗脳し子供の兵士を作り上げることであった。捕らえられたコモナに反政府軍は「立派な兵士になるため、手始めに両親を射殺しろ。できなければ俺が代わりに鉈で殺す。鉈の方が苦しむぞ!」と迫る。
コモナは涙を流しながら両親を射殺する。
絶望する間もなく子供たちは麻薬を飲まされ、殺人スキルを刷り込まれ戦場に放り込まれていった。
しかし、コモナだけは他の子供と違い、薬物の作用によりオバケを見ることができるファンタジーな能力を開花させる。しかも、そのオバケが実に親切で、敵の情報を彼女の伝えてくれるのだ。そのおかげか彼女の生存率は異常に高かった。
迷信深い反政府軍は「あの娘はオバケから敵の情報を聞き出せる魔女だ!!」と崇めて特別な待遇を施した。

ある日、コモナは反政府軍に属するアルビノの少年兵士マジシャンから「どの道、俺たちは殺される。俺と一緒に逃げよう!」と誘われる。二人だけの逃亡生活が始まった。

逃亡生活が新婚生活に
逃亡ついでにコモナにプロポーズをしたマジシャンであったが、唐突すぎる告白に戸惑うコモナは「白いオンドリを見つけ出したら結婚してあげる。」と条件を突きつける。コモナを嫁にするためマジシャンは機関銃を握りしめ、鳥小屋を持つ家を片っ端から脅して回るも、白いオンドリは見つからない。時には機関銃で武装した凶暴ババァの猛反撃にも遭った。










かくして、個人的過ぎるマジシャンの愛が善良な市民たちを恐怖のドン底に叩き落とし、町は戦場と化していった。
それでも白いオンドリは見つからない。可愛いコモナを前にしつつも、お近づきに成れないという巨大な哀しみに沈むマジシャン。
二人の間に気まずいムード漂い始める中、遂にマジシャンの願いが天に届いた!!
ターゲットの鳥を飼っている集落を見つけ、念願の白いオンドリを手に入れたのだ。
そしてこの日、二人は正式な夫婦となって体を重ね合わせたのだ。
コモナ13歳の時であった。

かつて魔女と呼ばれたママ
ここで物語が終わってくれれば良かったのに、二人に猛追撃してきた反政府軍の魔の手が迫る!!
奴らの狙いは魔女を連れ戻すことだった。
お前は魔女なんかじゃない!俺の妻だ!!」とコモナを守るべく、大勢の政府軍に果敢に立ち向かったマジシャンはコモナの目の前で殺され、彼女は再び囚われの身となってしまった。

14歳となったコモナは戦場にいた。昼間は機関銃を撃ち、夜は部隊長の相手をさせられた。
お腹が大きく成り始めた。この大きなおなかの中に宿った命はマジシャンとの間に授かったものなのか、部隊長の相手をさせられた時に授かったものなのか、それは分からない。
だた、ハッキリと分かっていることは「ここにいちゃいけない!!」ということだけだ。
コモナはカミソリの歯が仕込まれた大きな果物の種を…ちょっと言葉では説明しにくいんですが、かなりエグイ凶器を股間に忍ばせ夜を待った。そして何も知らずに挿入してきたぺド部隊長のチンチンを襲うサプライズ!!
男にしか理解できぬ苦しみにうずくまるぺド部隊長を鉈で瞬殺し、脱走するのであった。

大きなお腹を抱え意識がもうろうとする道中に親切な人たちの手により彼女は保護されるも、体の傷は癒えても心に付いた傷は深く、夜な夜な起こす奇行やオバケたちに悩まされ始める。
保護してくれた人たちにこれ以上迷惑はかけられないと、コモナはある晩、故郷に向って旅立つのであった。