アイ・ フランケンシュタイン

吸血鬼、狼男、人魚…外国産モンスターたちは『ゲゲゲの鬼太郎』とは一味違ったミステリアスで危うい魅力秘め、今なお地球上の男子たちを引き寄せる、強烈な吸引力を放っている。
ところが、ここ数年でモンスター業界は大きく変わった。多分、前にも書いたような気がしますが…。

吸血鬼は草食系に成り下がり、色目使って女の子をたぶらかし、それを禁断の恋だと主張し(お前は草でも喰ってろ!!)、狼男は遺伝性の病気と診断された(びょ…病気!?)。
「怪物」は科学でも解明不可だからこそ、ダークな輝きが増す。科学的な解釈が彼らの最大の長所であった神秘性を根こそぎ奪っていったのだ!

「トワイライトってバッカじゃない?」と僕らの気持ちを素直に代弁してくれた「モンスターホテル」。

『アイ・ フランケンシュタイン』は、原作版『フランケンシュタイン』のその後を勝手に描いた作品である。
時間をさかのぼること200年前、狂人フランケンシュタイン博士は複数の死体を繋ぎ合わせ1体の人造人間を誕生させた。人造人間は死ぬことも無く膨大な時間を生き続け、そして時は現代…。
信じてもらえないかもしれないが、僕らの住む世界では今、人間に化けた悪魔と派遣天使が人知れず壮絶な戦いを繰り広げていた。

悪魔たちの目的は人造人間の開発。人造人間を大量生産して軍団を作れば、地球侵略も夢ではない!!
夢はあるが、かなり無理のある計画である。誰か止める奴はいなかったのか。


悪魔はその計画をバカ正直に実現させる為だけに会社を設立し、社内には膨大な数の死体をストックし、開発が成功した訳でもないのに準備だけは完璧だった。


しかし、現実は悪魔にも辛く立ち塞がった。開発は思うようには進まなかったのだ。現状はネズミの蘇生が精一杯。
痺れを切らした悪魔はフランケンシュタイン博士の人造人間を捕まえて、彼の体から直接蘇生の秘密を暴き出そうとチョンボに走り出す。


悪魔のズルに気づいた派遣天使たちは、エンジェルパワーを宿した必殺ウエポンで武装、対する悪魔のウエポンは鉄棒。悪魔たちは命がけで笑いを取ろうとしていた。

ここまで読むと、マヌケで面白そうな映画に思えるかもしれないが、実際は悪い意味でマヌケ
天使たちは一目気にせず悪魔を殴り殺して回る人造人間に対して「人間に気づかれてはいけない!!」と忍者のような掟を押し付けるくせに、自分たちは街中で堂々と爆音鳴らして悪魔狩り。いくらの寝静まった深夜限定でのハンティングとは言え、こっそり起きてエロビデオ観てる人だっているんだから。バレるだろ…。

ところが、いくら町を破壊してもテレビや新聞に取り上げられることはないし、「お前ら、今何時だと思ってんだ!!」と怒鳴る人間が一人も出てこない。
ここの街の人は眠りが異常に深いのか?
天使たちは散らかった街の後片付けもしているのか?
上映終了後、モヤモヤしたモノだけが大量に残った。

ホントはね。この映画凄く期待してたんだよ。
フランケンシュタイン対地底怪獣』みたいな作品だと思っていましたから。

多分、この映画は日本じゃ売れないんだろうな…。
海外でもコケたし


『アイ・ フランケンシュタイン』よりも楽しい映画『フランケンシュタイン対地底怪獣』を観て哀しい思い出は、どこかに吹っ飛べ!! 消えろ!!