『MAMA』
去年から観たい!観たい!! 観せろ!!!と恋い焦がれていた映画『MAMA』が遂に映画館にやって来た!!
色々あって頭がどーかしてしまった父親がひとしきり暴れて同僚と妻を殺害した後、年端もいかぬ二人の娘 ヴィクトリアとリリーを道ずれにして逃避行。
雪が降り積もる森の中で迷子になった一行の前に突如として現れた建てつけの悪そうな一軒の小屋。そこに避難するも、父親の精神は爆発寸前。ヴィクトリアは外を見つめながら「父ちゃん、外にいる女の人、足が地面に着いてないよ。」と不吉極まりない発言が男の精神にトドメをさした。父親は小屋で無理心中を目論むが…。
この映画を観た時、僕の隣に座っていた頭の悪そうなカップルが上映前からイチャイチャしていたが、どーせ、部屋が暗くなることを良いことに彼氏は怯えきった彼女が怖さに耐えきれなくなって自分の腕にギュッとしがみ付いて、そのまま映画なんて気にもせず気持ち良くなろうって根端なんだろうけど、ご愁傷様。この映画は異形なるモノたちにブレることなく強烈なラブコールを送り続けてきたギレルモ・デル・トロ先生が製作総指揮を務めているんだから、先ず人間側の都合に合わせたハッピーエンドなど絶対ありえない!!
上映後「アナ雪観ればよかったね…。」とお互い何となく、ばつの悪い思いをするかもしれない。もしも、彼女が哀しい顔をしていたら頭を撫でて、なだめてあげるが良いさ。
まぁ、それはそうと。
5年後。
あの小屋でケダモノに変異したヴィクトリアとリリーが発見されるも、父親の消息は謎のまま。
大人たちは保護された姉妹を何としてでも人間社会に復帰させようと懸命な処置を施す。
『おおかみこどもの雨と雪』で感じた不満、例えば夜中に冷蔵庫の生肉を貪るとか、そこら中に糞尿を撒き散らかすとか期待していたんだけど、5年間に渡ってその身に染み込んだ獣臭は、あっさりと文明社会に吹き飛ばされヴィクトリアは言葉を発するまで回復。つまり生肉も糞尿もおあずけ…。
誤解を覚悟で言わせて頂きますけど、僕だって好き好んで糞尿なんて観たくない。だけど、大スクリーンで乱れ飛ぶ糞尿を見れば人生は決まるぞ!
何がどう決まるのかは一口には言えませんが(笑) でも、やっぱり観たかったなぁ〜糞尿。
イメチェンした姉に比べ、妹のリリーは頑固に人間社会を拒み続け、四足歩行の移動やおやつ感覚で虫を踊り喰う野蛮たる姿でビックリさせておきながら、段ボール箱を見るとたまらず中に飛び込み、顔だけちょこんと出す愛くるしさ。
く…苦しい。胸が。養子になってくれ!
ところが、大人たちがどんなに頑張っても、2人が「ママ」と呼ぶ謎の存在を理解することは出来なかった。
目に見えない何かと戯れる姉妹の姿を見た専門家は、孤独を紛らわせるために作った妄想に過ぎないと言い張る。
真夜中になると姉妹は遠吠え代わりに鼻歌を歌い出すが、途中から耳障りな3人目の鼻歌が混じり出す場面は背筋が凍る。医師の診断で徐々に明らかとなる恐ろしくも哀しい事実。果たして「ママ」とは本当にただの妄想なのか?
そして、あの頭の悪そうなカップルは鑑賞後どうなったのだろう…。
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