『魔女の宅急便』−実写版『魔女の宅急便』の良さ教えます!!− その2

                          

前回、思いの限り詰め込んで実写版『魔女の宅急便』の感想文を書くつもりが…読み返してみたら、キキと言う名の小芝風花、あるいは小芝風花と言う名のキキの可愛さを語っただけ回で終わってしまった。

なので、今回は地味なボンクラ少年とんぼと口の汚い黒猫ジジについて書こうと思います。男(オス)だって負けてはいませんよ!!
しかし、まさかオス猫と野郎をピックアップする文章を書く日が来ようとは…色気も華も無い終末感漂う回ですが、お付き合い下さい。

僕の中でのとんぼの印象は「弱そうな童貞」。
草食男子的なルックスに加え、ジブリ版での山口勝平さんの絶妙なスケベ声が相乗効果を生み、その印象をより強固なものにしているからです。
ところが実写版のとんぼは生キキと同様、調整されて別人になっていた。ジブリ版では不良グループの下っ端だった男が実写版ではグループのリーダーになっているんです。
グレードアップしたと思うかもしれませんが、彼を慕う手下は手癖の悪い近所の子供だけ。
正確には弟と妹でした。すみません!!m(  )m
つまりグレード・ダウンしている…。
だからと言って見放さないで下さいよ。失った部分もあれば得たものだってあります。
ひとり鳥人間コンテストにかける情熱はとにかく異常。
目の前にかわいい魔女の子がいても、考えていることは人力飛行機のことばかり。失礼な上に生キキにウソの配達を押し付けて飛行姿をストーキング。悪びれることなく営業妨害を企てる始末。その結果、生キキとは犬猿の仲に。


ところが、生キキが心無い人間の嫌がらせで自信と魔力が底を突いた時、彼女をどん底の淵から救い出したのは彼なんですよ。
生キキが生とんぼに「魔女辞めて、人間始めようかな…。でも私パン焼けないし、自転車にも乗れないし…。」と弱音交じりの進路相談を吐き出す場面があるんですが、多分、彼女は温かい言葉で慰めて欲しかったんじゃないかな? ところが彼は突然、生キキを自分の自転車に乗せて、松岡修造レベルの喝がこもった自転車教習を始めてしまう。しかも補助輪無し。何から何まで気の利かない行動ですが、言葉ではなく行動で彼女の自信を復活させようとするブサイクで不器用な彼なりの慰め方だったんですね。
この場面は実写版『魔女の宅急便』屈指の名場面だよ。営業再開を目指して体を張って頑張る二人の姿に声援を送るもよし。常に男勝りな態度をとる生キキがこの時だけは、産まれたての子猫のようにプルプル震えながら自転車を漕ぐ姿に萌えるもまた一興。
僕はとんぼのことを「弱そうな童貞」と書いてしまいましたが…実写版の生とんぼは違います!!
彼は「強そうな童貞」だよ!!

もう一匹の男(オス)である実写版ジジ。彼はGCで描かれる言葉通りの生々しい姿をしています。映画を観た人の中には「リアル過ぎて可愛くない!」と不満を漏らす人もいるようですが、実写の世界にポケモンみたいな猫がいるのは不自然だから、これはこれで良いのでは?
リアル過ぎても駄目、ポケモンみたいだと不自然。じゃあ、どんな猫ならいいんだよ!!
生ジジは寝てばかりで参加意識が非常に低い猫ですが、キキを傷つけようとする奴には自発的に牙を剥いて襲い掛かる信頼できる一面もあるんですよ。色が黒いから何となく、小さなSPに見えてきます。
命がけで生キキをガードする生ジジですが、カボチャ・パンティーの護衛だけは何故か薄い。
護るものは護り、護らないものは護らない(男性娯楽追求のために)、その姿はまさに違いのわかる孤高の仕事師だ!!