『キャリー』―クロエに愛をこめて(吹き替え版)―
クロエ目当てで再び観てきた2013年版『キャリー』。今回は気分をかえて吹き替え版を鑑賞。
前回この場で「スク水のクロエしか観るものが無い」などと元気よく大変失礼なことを書いてしまいましたが、他にも観るものが…というか正確には聞くものありましたよ!!
既にご存じな方もいると思いますが、今回の2013年版ではキャリーの母ちゃんの吹き替えを担当されたのが76年版でキャリーの吹き替えを担当した潘 恵子さん。
そして2013年版のキャリーの吹き替えを担当されたのが潘 恵子の娘である潘 めぐみさん。この親子吹き替え共演というサプライズを考えた人、誰だか知りませんがエライぞ!!
潘 めぐみさんといえば、2008年にスウェーデンが世界に送り込んだ誰が何と言おうと超傑作『ぼくのエリ 200歳の少女』をハリウッドが金にものを言わせてリメイクしたけど、大して面白くなかった『モールス』。その『モールス』の主人公を務めたクロエの吹き替えを担当しており、このままクロエ専属吹き替え声優になって頂きたいものです。
さらに2013年版『キャリー』でキャリーをいじめていた極悪な双子ニッキとリジーの吹き替えを担当した声優 寿美菜子さんは、これまた2011年の『HICK ルリ13歳の旅』で主人公を務めたクロエの吹き替えを担当していたのだ。
つまりこの2013年版『キャリー』ではクロエの吹き替え担当の履歴を持つ声優さんが二人も出ている、これは凄い!! 例えるなら1つの映画で「玄田哲章さんと屋良有作さんの声を同時に聞けた!」とか「羽佐間道夫さんとささきいさおさんの声を同時に聞けた!!」に匹敵するデラックスなことだったりします。
時折、「真の映画ファンは字幕一筋!」なんて固定観念を振り回している人がいるけど、もちろん字幕には字幕の、そして吹き替えには吹き替えの味があると僕はハッキリとこの場で断言したい。
勉強熱心な声優さんの独自の解釈やアドリブ、絶妙な息遣いを駆使した役作りが結果的に字幕版以上の緊張感や感動、興奮を僕らに与えてくれる場合だってある。
少し前に大人気声優 水樹奈々さんがR−18の称号を持つリメイク版『死霊のはらわた』の主人公の声を吹き替えたことが、小さな社会現象になりましたよね?
彼女が担当したミアは人様の顔面に向かって粒入りゲロを撒き散らすわ、自分の舌をカットして溢れ出た血を人様の口に注入するわ「彼女の事務所は契約前にちゃんと映画の内容を確認したの?」と思ってしまうほどのキツイ役であったものの、奈々さんの根性が字幕版とは違う一見ならぬ、一聞の価値のあるものに仕立て上げたのも事実。そんな気がする。
それに目を閉じて粒入りのゲロを撒き散らす奈々さんを思い描いて興奮してこそ一人前のファンというもの。吹き替え版はあらゆる意味で深いのだ。声優という文化は日本が最も進んでいますからね。日本の宝ですよ。
ただし、「吹き替えなんてどーせ声を当てるだけの簡単な仕事だろ?」 そんなたるみ切った志で吹き替えにチャレンジしようとする頭の悪そうな俳優、芸人、アイドル…お前らの吹き替えは違うからな!!
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