『エビデンス―全滅―』   遺伝子震撼!! 映画祭り 開幕

                
                

何も無い荒野のド真ん中にある廃工場で全米を震撼させる残酷バラバラ燃焼殺人事件が発生する。発見された複数の死体は全身が焼かれてバラバラにされた状態だった。
現場から掻き集められたビデオカメラ、携帯電話に収められた映像を解析して犯人逮捕に挑む捜査官たち。

この映画は大して怖くないくせに大ヒットした映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』が編み出した手持ちカメラによる激安撮影方法(運動会で親が鼻息を荒くして自分の子供を撮ったような荒い映像)をさらにバージョンアップしたような味わい深い内容となっており、ザラザラした不鮮明な殺人映像と捜査官たちの映像解析によって荒い映像が謎と共にドンドン明かされて行く歯応えのあるドラマシーンが交互に展開する二段構造。
目にも優しい親切設定!!


現場から押収された映像に一体何が映っていたのか?
映画監督を夢見る金髪の女の子と大女優になることを夢見る黒髪の女の子、見るからに頭が悪そう二人組。
そして黒髪の女の子に求婚したがダメだったボーイフレンドを含めた気まずいムードを漂わせた3人組は、ラスベガスへ向かうためバスに乗って移動していた。
その道中、頭の悪そうな金髪は乗客のプライバシーを無視して自慢のビデオカメラをバンバン回して勝手にドキュメンタリー映画を車内で撮影開始。
だが、途中乗車したババァにビデオカメラを向けた時、逆鱗に触れられたババァは怒り狂い、バスは転倒。
タイヤには有刺鉄線が喰いこんでいた。「一体誰が?」などと議論している余裕なんて無いので荒野に放り出された乗客たちは、サッサと助けを求めて歩き出す。
辿り着いた不気味な廃工場で彼らを待ち伏せしていたのは、溶接マスクと必殺のガスバーナーで武装したインパクト満点なルックスの殺人鬼だった。
この殺人鬼がとにかく怖い。どこに隠れてもガスバーナーで障害物をジワリジワリと溶断して近づいてくる上に捕まれば、手際よく生きたまま焼き殺す。

捜査官たちはバスに乗り込んだ乗客の個人情報に目を通していると、物騒な履歴を持つ者がいることに気づく。
「犯人はこの乗客の中にいるのか?」と事件の核心に近づいたと思ったら、突然何者かによって解析したての人殺し映像がネットに流出。驚異的な再生回数を記録する。
営業妨害に遭いつつも映像解析を進める仕事熱心な捜査官たちが事件の真実に直面した時、捜査官だけでなく視聴者すらアングリさせるような驚愕のオチが待ち受けていた。

この手の記録映画は、まだまだ面白くできるということを証明した凄い映画でした。
(この映画と似た内容の映画があるんですが、タイトルを出すとホラー映画が大好物な方には即行にオチが分かるので伏せておきます。)

この宇宙よりも深い謎を解けるものなら解いてみるがいいさ!!
まぁ、ホラー映画オタクには直ぐにばれちゃうかもしれませんが…。