『アイアン・フィスト』―武器が無くなるその日まで拳を振るえ―


普通の予告。

声優・神谷 明さんがナレーションを担当したことによって世紀末感が増量された燃えるような予告。
日本に生まれて良かった!!

時は19世紀。暴力が支配する物騒な中国のとある村に漆黒の肌を持つ鍛冶職人ブラックスミス、この愛と正義の物語の主人公はいた。彼は日々、注文された武器を作るため黙々とトンカチを振るって鉄を叩いていた。例え、お客が冷酷な人殺しであっても、彼は金がもらえるのならば何一つ迷うことなく依頼を受ける仕事熱心な人でした。
その結果、新しい武器を手に入れた近所の悪党たちは仕事をサボって護送中の金塊を強奪するなど、治安はどんどん悪くなっていきました。

ブラックスミスには最愛の女性がいました。
その女性は中国で最も危険な香りがする娼館・「粉花楼」に飼われた商品でした。彼女はブラックスミスが来客するのをいつも心待ちにしていた。

彼がお客を選ばず、せっせとトンカチを振るってチャージしていた巨大貯金の使い道、それは彼女をこの欲望の館から解放させ、二人でどこか遠くで新たな人生を再スタートさせるために必要な資金だったのです。
しかし、愛のためとはいえ、近所の悪党たちに大量の武器を与えた男にそんなスイートな夢は夢のまた夢でした。
ブラックスミスは、かつてのお客に両腕を切り落とされるという、大きな代償を払ってしまう。

両腕と職を一度に失い、漆黒の無職となってしまったブラックスミス。
生と死のはざまをボーっと漂っていると彼の心に「俺が作った武器が罪の無い人たちの命を奪っている。すべての武器を壊し、近所に平和をもたらす。それが俺の役目だ!」とトニー・スタークみたいな考えが芽生え始める。
かくして、勝手に正義に目覚めたブラックスミスは自身の最高傑作である、敵を殴り殺すためだけに鋳造されし鉄の義手アイアン・フィストを両腕にドッキングさせ、ついでに鍛冶屋を始めると同時に封印していたカンフーも解き放ったその姿は、もはや漆黒の無職ではなく、漆黒のケンシロウであった。


悪党どもが粉花楼で盛大に酒池肉林を繰り広げていることを知ったブラックスミスは元気よく来店するも、店内では悪党どもと粉花楼の女将が率いる武闘派従業員チーム、さらには体を一瞬にして金属に変えてしまう超人までも巻き込んで強奪した金塊を奪い合うという
北斗の拳』を観ていたら、突然『ワンピース』が始まったような、多分、そんな気分になる、お得な巨大ネコババ・ファイトが勃発していた!!