シュガー・ラッシュ −わたしのヒーロー−


小学生から小学生みたいな大人まで、みんな大好きなテレビゲーム。
ところが、テレビゲームの世界にはもう一つの顔がある。それは人間たちが見ていないところで繰り広げられるハードな格差を前面に押し出した世界。

このゲームの主人公の名はラルフ。『フィックス・イット・フェリックス』と呼ばれるレトロゲームで悪役一筋30年、ひたすらにビルを壊し、正義の味方フェリックスに敗れ、そしてビルの屋上からポイ捨てされ続けていた。
そんなシンプルな世界は今、深刻な悩みを抱えていた。なんと、大した仕事もしないモブキャラたちには立派な住まいがあるのに、ラルフは外でレンガを毛布にして眠るホームレス以上に過酷な生活を強いられていたのだ。
そんな、バトル・ホームレス・ラルフはある日、悪役たちだけが集うグループセラピーに参加し、「もう、悪役辞めたいっす…。」と愚痴をブチ撒ける。彼のハートはバースト寸前なこの危機的状況に追い打ちをかけるがごとく、『フィックス・イット・フェリックス生誕30周年パーティー』がラルフ抜きで行われたのだ。「ふっざけんな!!こっちは仕事でしかたなく悪役やってるだけだぞ!!お前ら、そんなに俺のことが嫌いか!!」と30年間溜め込んでいた感情が大爆発。
ラルフは自身の世界『フィックス・イット・フェリックス』を飛び出し、自分を愛してくれる世界を探すため、全く異なるジャンルの世界に迷い込む。

彼が辿り着いた終着駅の名は『シュガー・ラッシュ』。ここはキュートでスイーツな世界がどこまでも広がる、全力で女の子受けしそうなレースゲーム。(一部の男の子にも大人気。
そこへノコノコやって来た、ホームレス・ゴリラ・ラルフはキャンディの包み紙を毛布にして、毎晩涙で枕を濡らすリトル・ホームレス・ヴァネロぺと出会う。小生意気なヴァネロぺの態度に当初は殺意を剥き出しにするラルフであったが、2人は似た者同士、哀しき引力が二人の距離を少しずつ縮め、互いの心の傷を舐め合うようにして固い絆が突如として芽生え始める。

そして、ラルフはヴァネロぺのために、ヴァネロぺはラルフのために、ドン底人生から這い上がるために2人はデスマッチレース・シュガーラッシュのスタートラインに勝手に立つのであった。

この映画は、もぉ――――最高です!!上映中5回も泣いちゃいましたよ。
映画ファンやディズニーファンだけでなく、今の仕事に行き詰っている方にも観て頂きたい。「いままで必死に頑張ってきたのに、なんで今、こんなクソみたいな仕事してんだろ…。」と悩んでいる方(僕を含め)、たくさんいると思います。そんな迷える子羊たちに30年間クソみたいな仕事を続けてきたラルフ先輩が最高の激励を贈ってくれます。
この映画を観れば、「明日も頑張ってクソみたいな仕事をしよう!!」と自発的に思えてきますよ。本当です!!