ジャッジ・ドレッド―二足のジャスティスを履く男―

核戦争勃発により国土の多くを失った世紀末国家アメリカ。
我々、ボンクラ男子たちは核戦争が起こると、世界は無法地帯と化し、必要以上に狂暴となったバカが大量発生するという事実をすでに知っている。
だか、安心してくれ!!
この街「メガ・シティ1」では、そのような蛮行は断じて許されない。
何故かって?
それは、この街にエリート・ジャスティス軍団「ジャッジ」が常に目を輝かせて悪党どもを監視しているからだ!!


荒廃しきったアメリカに建設された最後の楽園、『メガ・シティ1』。
しかし、街の中は楽園とは程遠く、空には監視用の無人機が飛び交い、地上では犯罪が1日に
17000件、核戦争が産み落としたここは、地獄の終着駅。
それでも人は、犯罪まみれのこの街の治安を現状維持するため、裁判官と処刑人の二足のわらじを履く集団「ジャッジ」を産み落とす。
これは「ジャッジ」の中でも最も仕事熱心な男、ジャッジ・ドレッドとその相棒、カサンドラ・アンダーソンに密着した記録である。


その日もドレッドは説得、交渉をスッ飛ばして悪人を瞬殺して、本部へ帰還すると上司から一人の女の子を紹介される。彼女の名はカサンドラ・アンダーソン。ヒヨコ色の髪を持つ女の子。
上司は神妙な面持ちでドレッドに「彼女は人の心を読む力を持っているの。その力を犯罪撲滅に活かしてあげたいの。ドレッド、彼女を導いてあげて。」と告げる。
ここにヘルメットおじさんと新米エスパーという余りのもファンタジーな凸凹コンビが誕生する。
超現場主義のドレッドは初日から最終試験と称し、アンダーソンを連れて向かった先は犯罪者が束になって寝泊りする200階建ての悪党ビル「ピーチツリー」であった。



タワーに到着すると、そこには、生皮がはぎ取られた死体が…。
犯人はプレデターか!?
いや違う!!
犯人はこのタワーの住人を恐怖で支配している地獄の大家「ママ」そして、その一味のによるものであった。
犯罪のニオイを嗅ぎつけ、上層部へ駆け上るドレッド。
先輩ッ!!カッコイイっす!!」とヒョコヒョコついて行くアンダーソン。
その途中で、ある種の特別な薬をバカスカ吸うクズどもが、束になってたむろする一室に辿り着く。
部屋のドアに小型爆弾をセットし、爆音ノックと共にドレッドの正義のゴミ掃除が始まった。
人を人と思わないドレッドの仕事っぷりに、「せっ、先輩…あんまりっす。」と初日から心が
バキバキに折れるアンダーソン。
そのクズの中の一人を逮捕し、尋問するため、本部に連行しようとする凸凹コンビ。
だが、ママはそれを許さなかった…。
突如、轟音と共に分厚い鋼鉄のシャッターがビルの出口をすべて封鎖。物語の進行上、特に関係ないがシャッターの真下でボーっとしていたホームレスは押し潰された。
沈黙を切り裂く、ママの宣戦布告のアナウンスがビル内に響き渡る。
表情ひとつ変えないドレッド。いや、むしろ彼はこの状況を楽しんでいる。その横でヒヨコのようにプルプル震えだすアンダーソン。そしてウンコよりも醜い姿になったホームレス。
さぁ、最終試験の始まりだ!!


ジャッジ・ドレッド』は右も左も、むさい男だらけのギトギトな世界ではあるが、本作のヒロイン、
カサンドラ・アンダーソンは豚骨スープの中に咲く一輪の花ともいえる。
特筆すべきはその超能力。
ドレッドが逮捕したクズから情報を聞き出そうとボコボコに可愛がってもダメな時こそ、彼女の見せ場だ。
先輩、見てて下さい!今から私がコイツの心に入って情報を聞き出してきます!」と強気に言い切るも、相手が救いようのないスケベ野郎だったため、精神世界の中で僕の口からはとても言えないことが展開され、「ちょっと!私の体でHな妄想しないでよ!!」と現実世界でも精神世界でも苦労の絶えない女の子ではあるが、映画の上映後に「俺の心も読んでくれ!!」と世界中のボンクラ男子たちが鼻息を荒くして、大量発狂した。