箱庭のラプンツェル〜籠の中の乙女〜

主にネタバレしてます。
今回は内容が内容なだけに貼れる写真が少なくて、本当に申し訳ない。ごめんね。

清涼感漂う白い家。澄んだ青色のプールに緑色の芝生。
このリッチな邸宅は高い壁に囲まれていた。その異様な壁の内側では熱血監禁・無菌教育に精を出す中年夫婦と名前すら与えられていない、その子供たち。兄、姉、妹が幸せに暮らしていた。

子供たちは生まれてこの方、外の世界を知りません。
何故ならば、お父ちゃんが「外の世界はな。危険なこと、汚らわしいことばかりだ!!お父ちゃんは傷つくお前たちを見たくない!!壁からは出ちゃいかんぞ!!特に猫とかいう獣には注意しろ!奴は人間の肉を好む!(猫の撃退法まで教えだす)」などと言って、力強く洗脳。
おまけに外に関する情報。『高速道路』意味は『強い風』。『海』は『椅子』と教え込み、他の追随を許ないのだ。
自分でも何書いてんだか、わけが分かんなくなってきましたが、そんな内容の映画です。

お兄ちゃん、優遇され過ぎちゃいないかい?

このお父ちゃんの息子に対する溺愛っぷりが、とにかくハンパ無い。
お兄ちゃんがオナニー1つするにも、お父ちゃんがわざわざ女性(クリスティーナ)を外部発注。
オナニーするだけのはずが、いつの間にかセックスに…。
挙句の果てに姉妹にお兄ちゃんの性処理サポートを強要したりと、お父ちゃん、化物です。

ここまで、お読みになると「何て不快な映画だ!!」と声を荒げる方も、まずは右の写真をご覧ください。競泳水着で身を固めた女の子が目隠されて、はしたない姿をさらけ出す!!
これにより不快な気持ちが見る見るうちに中和されていくという実に親切な(男性客に対して)映画でもある。

お姉ちゃんの血生臭い反抗期

ある日、クリスティーナがこのどーかしている家に映画のビデオテープを持ち込んだことで、事態は急変。
その映画(ジョーズ、ロッキー等)を観たお姉ちゃんはかつて感じたことが無いほど興奮と感動を覚え、外の世界に恋い焦がれ、ちょっとだけ人間的な感情が表れ出す。この映画パワーによって、お姉ちゃんの精神が汚染(正常化)されたことに激怒したお父ちゃんはビデオテープを没収するのと同時に、このビデオテープでお姉ちゃんを殴り倒す、ビデオテープの規格外な使い方を披露。
また、ビデオテープを持ち込んだ元凶であるクリスティーナにいたってはビデオデッキで殴り倒し、瞬殺。

そして、この事件を起点に、お姉ちゃんの最初で最後のカツの入った反抗期(脱出作戦)が始まる。


↑映画パワーで感情が制御不能中の暴走姉ちゃんとその姿に絶賛サプライズ中の両親。