他力で大いに結構!!『ヴァージニア』

絶賛ネタ切れ中のデブ小説家ホール(ヴァル・キルマー)は営業活動中に立ち寄った寂れた町で珍妙な事件に遭遇する。
それは胸にぶっとい杭を刺されて絶命した身元不明の少女の殺人事件であった。

その謎の事件を担当していた、この町でたった一人のデブ小説家のファンである老いぼれ保安官は「なぁ、この事件をネタにして小説を書かないか?ただし共作で。」とすり寄る。

「突然持ちかけられてもなぁ…。しかもこの人、僕の作品、あんまり評価してないし…」と微妙な心持のデブ小説家ではあったが、現状、彼はネタが無い、嫁からは「早く金作れ!」と脅迫されたりと一杯一杯でした。仕方ないので執筆を開始!

ネタ探しに町を捜索してみると意外なことに自身が敬愛する小説家エドガー・アラン・ポーがかつて宿泊したという、現在は廃業中のホテルに行きつくのであった。

その夜、宿泊先でデブは不思議な夢を見る。
夢の中で自称「V」(ヴィー)と名乗るアルパカのような顔つきでパンダみたいな化粧を施した得体の知れぬ少女が現れる。

この時のVとの何気ない会話がちょっと可愛くてですね。
V「私…歯並びが悪くてね。見てよ、この矯正器具。この歯型のおかげで、みんな私の事をヴァンパイアなんて呼ぶのよ!!もぉ!」みたいな。
一見すると、その身なりは方向性を見失ったヴィジュアル系バンドのようだが、その中身はデリケートな悩みを持つ女の子だった。

いやいや、そんなことはないよ。日本じゃ、「むしろ、その八重歯がいい!!矯正なんてしないで!!もったいない!!」なんて、おっしゃる方だっています。それにエル・ファニングになら噛まれてみたいし…。

で、Vが去ったら今度は憧れの小説家エドガー・アラン・ポーのオバケがナイスタイミングでやってきちゃいまして。
凄い夢ですよね。
ホールも「僕、あなたの大ファンなんです!!何か面白いネタ下さい!僕を導いて下さいよ!」みたいな感じって言い寄ってみたら。
ポーさんは「そうかぁ…じゃあ、この町で起きた大事件の話をしよう。でも、きっと聞いたことを公開するよ。」とハードな進路指導を開始するのと同時に、我々は人とオバケが垣根を越えてホモダチになる瞬間を目撃する。

この運命的な出会いに痺れたホールは睡眠薬を飲んだり、頭をぶつけて気絶したりと、自発的にポーさんのもとへ通いだすという激安『インセプション』な行為を犯すも。保安官から見れば「一日中グーグー寝やがって、働けよ!デブ!」とブチギレ、物語はヤケクソ的な展開に急ハンドルを切るのであった。

って、これだけ書くと、そこそこ面白そうに思えるけど、この映画、個人的には楽しめなくてですね…。前半はうとうとしてまして…。エル・ファニングが出てるからなんとか観れたものの、彼女が出てなきゃお蔵入りだったのでは?
真隣に座っていたオヤジなんてグーグーいびきかいて爆睡してましたから。
いやでも、僕は当初からコスプレしたエル・ファニングだけを目当てで劇場に向かったから、内容なんてどーでもよかったんですけどね
また、コスプレに自身がある方は挑戦してみてはいかがだろうか?できれば宮崎おあいちゃんあたりにやって頂きたいのですが…。

↑ この写真、一見すると、メイド喫茶で働く、お気に入りのメイドさんの携帯番号を意地でも聞き出そうと必死に粘る迷惑な客。
に見えるがそれは違う!!
エル・ファニングに熱心に指導する、この映画を監督した業界的に偉大なフランシス・フォード・コッポラさんです。