戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー・ロストエイジ

遂に出た!!
心を持ったロボットが善玉チーム、悪玉チームに分かれて激突するだけの超人気映画『トランスフォーマー』の最新作は凄く贅沢な映画だった。
なぜならば、1本の映画の中に2つのエピソードが詰め込まれていたからだ。その結果、大した脚本でもないのに上映時間は2時間45分と過去最長。長時間椅子に拘束されたお尻は悲鳴を上げ、おまけに館内の空調が悪いときた。
なぜ僕はお金を払ってまでこんな大魔境に身と尻を投じなければならなかったのか?
だが、そこに後悔は無い。お尻を道連れに感動と興奮と破壊が待つ映画館にロールアウトだ!!!!

センチネルプライムがやらかした大悪事から4年。
人々はあの事件を「シカゴの惨劇」と呼び、その怒りの矛先をオートボットに向け始めていた。
アリンコのように大群で押し寄せ、よってたがってオートボットをスクラップにするだけでは飽き足らず、その残骸から超ロボット生命体のテクノロジーを抽出して人工的にトランスフォーマーを作り出そうと目論んでいたのだ。人間からして見ればトランスフォーマーたちは単なる革新的な素材でしかなかったのだ!!

オプティマスは悪い人間たちの追撃から逃れるため、ロボットのプライドを捨て廃車に偽装し映画館に身を潜めていた。
その一方で、テキサスでは恋に飢えた娘に悪い虫が付かぬよう厳しくしつける低所得の父親が居た。
つい最近、『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』で日本のお父さんの哀しい現状を目の当たりにした我々ではあるが、テキサスのお父さんはそれ以上に深刻で、日本のお父さんの悩みと比べたら、その差はオナラとガス爆発くらい違うのだ。

方向性はだいぶ違えど、悩み苦しむポンコツとダメ親父が映画館で出会った時、お互いにくすぶり続けていた熱い何かが不死鳥のごとく蘇る。
親父とオプティマスが勝手に熱い友情を育み、散らばっていたオートボットを集結させていよいよトランスフォーマーらしくなってきたが、勝手に巻き込まれた娘と彼氏はたまったもんじゃない。
そこへナイスタイミングで銀河を股に掛けるゴリラ顔のトランスフォーマー ロックダウンが現れ、オプティマスに立ち塞がるのであった。
これが前半のお話。


後半は巨大ロボットに壊されやすいことで有名になった中国を舞台にして、ロックダウン、悪い人間、恥ずかしながら戻って来た破壊大帝、家を爆破され怒り心頭の親父に加え、野蛮な恐竜ロボット軍団まで緊急参戦!!
暴力でしか自分を表現できない人間とロボが中国の街のド真ん中で勢ぞろい。
誰もが『パシフィックリム』をも越える大バトルを期待したが、ここで僕らの気持ちを微妙なものにする事態が2つも起こる。

お気づきの方もいると思いますが、今回の『トランスフォーマー』は後半、所々に中国製商品が映り、中国の名所をオートボットがウロウロしたり、通りすがりの中国人ボクサーが助けてくれたりと何だか『トランスフォーマー』が中国の踏み台にされている!!
いくら中国が億単位のお金を出してくれたとはいえ、CMを撮ってくれだなんて僕らは頼んでないよ!!
まぁ、『トランスフォーマー』自体、オモチャを売るための巨大なCMなのかもしれませんが…。


そしてこれが1番大事。マイケル・ベイトランスフォーマーのことをもっと愛して欲しい。
死ぬほど期待していた恐竜ロボット軍団ダイナボットの活躍が最後の最後だけって…。
マイケル・ベイって多分、ロボットが撮りたいんじゃなくて車が吹っ飛び、街が崩れ落ちるところが撮りたいだけなんだと思う。

だけど、それでも僕はマイケル・ベイについて行こうと思う。
何故ならば、ベイはハリウッドで最も綺麗に女性の脚を撮れる男だから。
今回もやっぱり女の子の舐めるように撮っていた。
というか、女の子の脚をスケベなエイリアンが舐めるシーンがあったけど、あのエイリアンはベイの願望を具現化したものに違いない!!
もしかして、ベイは脚フェチなのだろうか?
す、凄いことに気づいてしまった!!どうしよう…。