中年 イン ワンダーランド 〜ドリームハウス〜


*ややネタバレあり。

会社を辞めて小説家に転職し、嫁と2人の娘との時間をノビノビと過ごすためにマイホーム購入と大胆な選択をした、お父ちゃんウィル・エイテンテン(ダニエル・クレイグ)。
しかし、新たな生活を始めた途端、差出人不明の花が届くわ、窓に浮かぶ不気味な人影、家を囲むようにつけられた足跡、ひとんちの地下室で勝手に不気味な儀式を行う近所のバカども。
そのバカどもの一人が過去にこの家で起きた残忍な母子殺害事件を面白半分に激白!!
言われた側はたまったもんじゃない、怒涛のサプライズであった。

すぐさま、町の警官にこの殺人事件の詳細を聞こうにも「教えられん!!」とシラを切る始末。
お父ちゃんはバカどもが残していった物から、母子殺害事件の犯人がこの一家の父親、ピーター・ウォードであることを知る。この男は妻と子を殺害後、精神病院へ送られ現在は退院したとのこと。そんな不安感度マキシマムのウィル一家に何か言いたげな表情を向ける隣人のアン・パターソン。
果たして、ウィル一家を恐怖のドン底に叩き落とした犯人とは退院したピーター・ウォードなのか?あるいはオバケなのか?

これ以上、何を書いてもネタバレになるので、書きませんが、この手の超常現象映画を浴びるように観ている方なら、早々に物語のカラクリに気づいてしまうと思いますが、この映画の良いところは、バレたらバレたで、それをいいことに、その先に進もうとした結果、前半で丁寧に描かれてきたスリリングな張りつめた雰囲気が、ぜ―――――――んぶ、パーになってしまう程の、どこまでが本気なのか、いまいち分からないファンタジーかつ泣ける謎のゾーンに突入、これは新しい!!

この展開で既にお腹いっぱいなのに「このままじゃ、地味な映画で終わってしまう…。オラ―――!!」と、監督が意気込んだのかどうかは分かりませんが、クライマックスでは家と人間をボーボー丸焼きにして、何もかもを浄化していくのであった。